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  • 富山県薬剤師会主催 東日本大震災ボランティア派遣報告会および災害支援シンポジウムに参加して

    富山県薬剤師会主催 東日本大震災ボランティア派遣報告会および災害支援シンポジウムに参加して

    平成23年10月22日(土)に富山県および社団法人富山県薬剤師会
    主催の『くすりと健康の週間』として開催された、『東日本大震災ボラン
    ティア派遣報告会』および『災害支援シンポジウム』に参加しましたので、
    ご報告させていただきます。

    まず、『東日本大震災ボランティア派遣報告会』では、それぞれの立場の
    薬剤師及び薬剤師会が行った災害支援の活動報告がございました。

    DMATとして参加され、実際の災害急性期に活動された報告。

    JMATとして参加され、活動された報告。

    ライフラインが少しずつ復旧した段階での避難所での調剤業務の立場からの
    報告。

    震災発生後、速やかに会津地方にボランティアとして参加され、現地で
    薬剤師としてオールラウンドに活躍された報告。

    現地にて環境衛生指導および維持業務に従事された報告。

    製薬メーカーにて勤務されている薬剤師の立場として、現地にて一般用
    医薬品の仕分けおよび配布等を行われた報告。

    以上、7名の先生の様々な立場、状況でのご報告をお聞きするうちに、
    当時の記憶が鮮明に蘇ってまいりました。

    今回、私も震災から41日後の4月21日から24日の4日間、宮城県石巻
    地区にボランティアとして参加いたしました。

    現地では、キーステーションである石巻高校の仮設診療所での調剤業務、
    石巻、女川地区での避難所巡回を行いました。
    私が参加した時期は、少しずつライフラインの復旧がされつつある環境の中、
    長期避難所生活のストレスで、精神的に不安定な状況の被災者の方々に
    対する心のケアが一番の課題でありました。

    今回、震災発生直後から、ボランティア派遣終了の6月30日までの活動を、
    それぞれの立場からお聞きすることができ、その時期に応じて医療スタッフが
    取り組まれている内容、その中で薬剤師が直面している問題点等が、常に
    変化していたことが良くわかりました。

    また、『災害支援シンポジウム』においても話題になりましたが、私が参加
    した時期も同様で、今回の震災で他医療職種および被災者の皆さまから、
    薬剤師が高く評価されていることを強く感じました。
    皆さまの報告を受けて、震災直後から医療チームに積極的に加わり、薬剤師
    としての本質的価値を他医療職種の方々に提供し続けていけたからこそ、
    他医療職種の方々からの承認を受けることができたのだと強く感じました。

    そして、今回我々保険薬局の薬剤師が積極的に勧めているお薬手帳の
    重要性についても、ボランティア派遣を通じて、被災者の皆さまのみならず、
    医療チームの皆さまにも十分ご理解していただけたのだと確信いたしました。

    その一方で、実際にボランティア活動を行う上での情報共有の難しさについて、
    災害支援シンポジウムで提起をさせていただきました。

    我々薬剤師が、有事発生時どのように考え、判断し、行動するべきか、
    今後の課題として真剣に検討していかなければいけないと考察いたします。

    最後に、この度の東日本大震災によりお亡くなりになられた方々のご冥福を
    お祈り申し上げますとともに、被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。

    奥田 武詩

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    4月の下旬、業務推進部の奥田部長が富山県薬剤師会の要請で
    東日本大震災の災害ボランティアとして派遣されました。

    5月21日の岐阜・長野エリア研修会でその時の報告が行われました。

    奥田部長が派遣されたのは、今回の大震災の中でも特に被害の大きかった宮城県石巻市。

    石巻高校がキーステーションとなっており、ここを拠点に石巻地区・女川地区の
    避難所廻り等の活動をされたとのことでした。

    被災地での薬剤師の役割としては

    調剤業務
    OTCの配布
    医薬品管理
    衛生管理

    などが挙げられます。

    仮設の診療所でドクターが診察を行い、その横で薬剤師が調剤と薬の説明をする。

    被災者の方々の健康状態を聞き取り、OTC薬の配布や受診勧告をする。

    支援物資として届けられた医薬品を整理・管理していく。

    3月・4月はまだ寒い季節でしたが、これから暑くなってくると衛生面での心配も出てきます。
    消毒薬を適切に使用し感染症を予防する。

    今回の被災地での医療支援のなかでは、薬という『モノ』だけではなく、
    薬剤師という『ヒト』も非常に求められたという話を聞きました。

    限られたわずかな種類の薬は、ドクターが普段使い慣れているものばかりとは限らないので、
    1つの薬に対してどの薬が代わりに使えるのかを助言する。

    患者さんが普段何の薬を服用しているかを聞き取る際にも、おくすり手帳や説明書がない場合に
    どの薬かを探しあてていくのですが、これも成分や効能だけでなく、色や形など
    薬の『顔』も知っている薬剤師だからこそできる仕事であると感じました。

    この地方でも近いうちに東海大地震が起こると言われ続けています。
    いざ実際に起こった時、自分はどう行動するだろうか?

    自分たちも被災者であるにも関わらず、薬局に寝泊まりし土日も関係なく
    薬局を開けて活動したという方々もみえると聞きました。

    それぞれの人が、それぞれの立場で、できることをする。
    言葉にするととてもシンプルなことですが、過酷な状況下で試行錯誤しながら
    実際に行動に移しておられる薬剤師の先生方には頭が上がりません。

    おくすり手帳の啓蒙など、被災地外にいる私たちが日々の業務のなかでできること、
    やるべきこともたくさんあると思います。
    普通の生活が送れることに感謝しながら、一人ひとりが考えていかなければならないと思いました。

    奥田部長の話を聞きながら何度となく涙が出そうになりました。
    貴重な体験をお話ししてくださって有難うございました。

    最後になりましたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
    心から笑える日が一日も早く来るようお祈りしています。

    はなの木薬局 坂下店
    児玉 洋子

  • 『 無菌調剤技術研修 』 に参加してきました

    『 無菌調剤技術研修 』 に参加してきました

    昨年末、『 富山県薬剤師会 会営富山中央薬局 』 に無菌調剤室が設置され、

    地域の在宅医療を担う保険調剤薬局の薬剤師対象に、実技研修が開始されました。

    現在、『 本郷はなの木薬局 』 ではTPNの輸液を調剤していますが、

    混合の経験はありません。

    医師から要望の声が全くないわけではありません。混合したくてもできない!(>_<)

    ちょうどそんなとき、この研修の案内をいただきました (^o^)/

    さっそく、この 『 無菌調剤技術研修 』 に奥田部長と参加してきました。

    会営富山中央薬局 田中先生のご指導のもと、約1時間の実技研修を受けてきました!

    今回はその様子を報告したいと思います。

    まず、研修のながれを説明していただきました。

    真剣な面持ちの奥田部長です ( ..)φメモメモ

    ここは準備室なんですが、ここに入る前にまず専用のシューズに履きかえます。

    準備室にあるこの写真の箱、パスボックスといいます。

    名前のまんま、準備室とクリーンルームをつなぐ通路になっています。

    薬品や必要機材をここから搬入します。

    ここで忘れてはいけないのが、消毒用エタノールです!搬入物すべてにエタノールを噴霧します。

    次に、前室にてメディカルキャップ、滅菌マスクおよび滅菌ガウンを着用し、手指を消毒します。

    さらに専用サンダルに履き替えます。

    クリーンルーム内での正装した二人です(^ ^)

    足洗い槽にて靴底を消毒後、クリーンルームに入りました。

     

    ここで滅菌手術用手袋を着用したのですが、

    『着用時、外側を素手でふれてはいけない、触れていいのは内側だけ!』

    これがなかなか苦戦しました(@_@;)

     

    さて、ここから実際の混注作業です!!

    作業台、ワゴン、クリーンベンチ内を消毒用エタノールで清拭後、薬品や機材を並べます。

    もちろん、ここでも薬品や機材は消毒用エタノールを噴霧します!

    残念ながら実際の混注風景はありませんが、田中先生の指導のもと、

    高カロリー輸液に生理食塩水や、薬品を注入しました。

    ここでもしっかりと消毒をおこないながら、慎重に注入しました。

    (私は、注射器で、アンプル内の薬液を最後までしっかり吸い上げるのに苦戦しました…。)

    注入後、ツインバックの隔壁を破壊ししっかり混合しました。

    それぞれ、処方内容をラベルにして貼ってあります!

     

     

    出来上がった薬品を、ポリフィルムバックに入れてシーラーを用いて脱気・封をします。

    これが、なかなか空気がうまく抜けずに何度もやり直しました…

    封したものを、パスボックスに入れ作業終了です!

    お疲れ様でした (^o^)/

    今回、研修を受けてみて消毒の回数に驚きました。

    ほぼ全工程に消毒はついてまわります。

    高カロリー輸液は培地のようなものなので、当たり前といえば当たり前なのですが、

    細菌繁殖には本当に気をつけなければなりません。

    今回は研修でしたが、今後患者さまの混注を行う際には、より一層気をつけて行いたいと思います。

    最後になりましたが、田中先生ご指導ありがとうございました m(__)m

    本郷はなの木薬局
    松本 裕樹