先日、第一エリア合同研修会を坂下店で行い、『 簡易懸濁法 』の勉強をしました。
私が今回演者だったのですが、事前に資料を作成。話を聞くだけよりも、実際に手を動かして体験したほうがより理解が深まるだろうと考え、期限切れの薬やカプセルを用意して溶かしてみることにしました。
簡易懸濁法とは、錠剤やカプセルを粉砕・脱カプセルすることなく、そのまま(あるいはコーティングに亀裂をいれ)、 お湯(約55度)に入れて、崩壊/懸濁させて経管投与する方法です。
粉砕しなくていいので、調剤にかかる時間は圧倒的に短くてすみますね。粉砕の調剤中に薬を吸い込むこともないですし、薬が目減りすることもありません。気になるのは、どうやって55度のお湯を確保するかですが、本にはポットのお湯と水道水を2:1の割合で混合すると出来ます。と書いてありました。
本当かな?と思い、事前にポットのお湯と水道水を混合して温度を測ってみると見事に56度!発表のときに実践してみたら54度!多少の誤差はあるものの、ちゃんと55度くらいのお湯が簡単に確保できて感激しました
そこに、オノンカプセルとポララミン錠、ミナルフェン錠を入れると溶ける溶ける。カプセルが溶けるかどうか懐疑的でしたが、見事に溶けました。
自宅療養の方の場合は、実際に患者を介護されている方の了解と理解が必要になりますが、われわれにとっては調剤時間の短縮、患者さんにとっては薬効低下を防ぐことが出来るいい方法だと思いました。
関連書籍を紹介(アマゾンへとびます)
内服薬経管投与ハンドブック 簡易懸濁法が可か不可かを調べる書籍。
簡易懸濁法Q&A Q&A形式になっており、分かりやすい。
あと、昭和大学の薬学教育推進センターのホームページに動画があるのでこちらも参考になります。
それにしても、研修を受けるのと研修で発表するのとでは緊張感が違いますね!
坂下店 夏目
コメント
“簡易懸濁法の勉強会をしました。” への2件のフィードバック
はじめまして。
簡易懸濁法について書かれていたので読ませていただきました。
私も祖母を自宅介護しているのですが、胃ろう注入の際にこの方法で薬を入れています。
最初は半信半疑だったのですが、面白いくらいに温度がぴったりなので、介護側としてはとても助かっています。
粉薬は溶かす際によく舞ってしまったり、誤って零してしまうことが多かったのですが、この方法になったことで薬包の数も減り、執拗に掻き混ぜなくても溶けが早く万々歳です。
これなら一人暮らしのお年寄りの方や身体の不自由な方にもわかりやすく、便利だと思います。
はじめまして!コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありませんでした・・・
そうですね、私達がお渡しさせていただいている患者さんも
「扱いやすくなり、とてもありがたい」と言っていました。介護は毎日の
ことなので、作業が少しでも楽になるといいですよね。
私たちも薬を錠剤から粉にするわけですが、粉砕可能かどうかチェックし、
すりつぶしてからふるいにかけて、量を測ってから分包する。結構な作業量
なんです。これが錠剤をお渡しするのみでいいので患者さんをお待たせ
することなくお渡しできるので助かっています。介護されているということで
日々大変なこともあるでしょうが、がんばってください
夏目