カテゴリー: 大桑店

  • 10月の岐阜・長野エリア研修会のご報告

    10月の岐阜・長野エリア研修会のご報告

    今回の第一エリア(岐阜・長野)のエリア研修会では症例報告会を行いました。

     

    日々の業務の中で出会った症例について、自分の考察を交えつつ
    紹介する会です。
    坂下店では毎月の薬剤師ミーティングで簡単なものは行っていましたが、
    このようにしっかりスライドや資料も作っての報告会は初めてです。

    今回は3名の発表がありました。

    まずは大桑店の早川さんから「睡眠薬と飲酒について」。

    睡眠薬+アルコールは一時期社会的にも問題となりましたが、
    現在でもあまりよく知らずに併用する患者さんは多いようです。
    併用が問題であるのみならず、「眠れないからアルコールを飲む」
    という行為はアルコール依存を招きます。
    今回の報告では養命酒(実はアルコール度数16%!)を併用して
    いたというケースもありました。
    睡眠薬が処方されている方だけでなく、養命酒を買われていく方にも
    すこし注意喚起が必要かも?

    次に坂下店の荻野さんから「PEG-IFN+リバビリン治療中の慢性C型
    肝炎における貧血についての考察」。

    C型肝炎の治療では何かしらの有害事象が避けられないこと、また
    48週と長期にわたることから、
    治療を続けられるよう我々からもフォローが必要です。
    その中で有害事象の1つである貧血について相談され、薬局薬剤師
    としてどのように
    対応すべきだったか?を考察したという報告でした。
    PED-IFN+リバビリン治療での貧血は溶血性貧血であることが多いため、
    鉄剤や鉄分の多い食材はあまり有効ではなく、逆に鉄分が肝障害を
    悪化させてしまう恐れがあるので注意が必要です。
    肝炎だけには限りませんが、薬に関してのことだけではなく患者さんの
    日常生活に関しても気を配っていく必要があると改めて感じました。

    最後に坂下店の横井さんから「トラムセット配合錠の服薬指導」。

    最近新たに発売されたトラムセット配合錠(トラマドール+アセトアミノ
    フェン)について、服用方法や副作用についてどのように指導するべきか?
    今回報告されたのはプレガバリン服用中で副作用のめまいがひどく、
    そこにトラムセットが追加されたという症例でした。
    現在主に処方されている先生は、副作用を減らすために1日1回から
    開始して徐々に増やしていくという投与方法を取られているようです。
    発売されたばかりの新薬については自分たちも知識が少なく、なかなか
    服薬指導が難しいですが、
    このように事例を共有して理解を深めていくことは大切であると思いました。

    3名とも細かいところまでしっかり調べられており、かつとてもわかりやすい
    発表で勉強になりました。
    早川さん、荻野さん、横井さん、
    お疲れ様でした&ありがとうございました!!

    はなの木薬局 坂下店

    児玉 洋子

  • 大桑店の改装報告3

    大桑店の改装報告3

    みなさんこんにちは!!

    今回で大桑店改装報告の最後になります。

     

    先月9月23日(金)に待合室とサイン関連の変更を行い

    長期に渡る一連の改装が完了いたしました^0^

    (正面入り口のサイン変更)

    お盆休みや休日を使い改装にご協力いただきました

    従業員の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

    また、工事の指揮を執っていただき

    滞りなく作業していただきました

    「みづほ工業」さまや各業者の皆様に感謝いたします。

    本当にありがとうございました。

    (広くなった待合室・・落ち着きが増した雰囲気です)

    (OTCや医療用品も充実しております)

     

    装いも新たに、地域に必要とされる薬局を目指してこれからも頑張ります!!

     

  • N.HAYAKAWA (大桑店 薬剤師)

    大桑店 薬剤師  早川伸子

        入社年度 : 平成12年度
      所属店舗 : 大桑店
      役職    : 薬剤師
      出身大学 : 名城大学

    Q1. はなの木薬局に入社した理由は?
    生まれ育った町に新しくできる調剤薬局、総合病院の前というところに大きな魅力を感じました。当時、この小さな町で
    医薬分業が進み始めたのだと実感したのを覚えています。
    初めて勤めた薬局では利益優先の経営や社長のワンマンぶりに、この先への不安を感じていました。
    そんな時、地元に戻らないかと声をかけて頂いたのでタイミングが良かったのもあります。
    タイプの違う二人の先輩薬剤師が中心となるところに魅力を感じました。

    Q2. 職場の雰囲気は?
    従業員は5人と少人数で年齢も少しずつ離れていてバランスの良い構成です。
    男女の比率が1対4と男性不利な感じですが(笑)、調剤薬局はこれぐらいがいいかもしれません。
    労わりと感謝の気持ちを大切にし、薬局長を中心とした明るい職場です。
    客層は元気なお年寄りの割合が多く、90歳以上でも門前の医院から自分の足で歩いて来局される方がいらっしゃいます。
    また、周りにお店が少ないので、ほかの店舗に比べOTCの需要が高いです。

    Q3. 現在の仕事内容は?
    調剤全般と投薬、OTCの相談販売。医薬品の仕入れ発注。
    投薬では、高齢の方が多い為ゆっくり話したり、世間話をしたりと患者様一人一人に時間をかけて応対します。
    またOTCの販売では、村内唯一の薬局であり近くにお店が少ないことから、幅広い商品のニーズがあります。
    例えば、食品の加工に使う重曹やクエン酸、給食センターで使用する消毒剤の注文、介護用品や家族の病気の相談
    など様々です。もちろん事務員にも対応してもらいます。

    Q4. 仕事で心がけていることは?
    処方箋の受付から投薬まで、円滑に運べるよう体制を整えることです。
    基本的には一人ずつ仕事が分担されており、それぞれ責任を持って決められた仕事をこなすわけですが、イレギュラーが発生し
    一人がその場を離れても、他の人が直ぐにフォローできるよう全員で心がけています。
    自分の仕事だけでなく人の仕事も理解し、常に全体の人員配置や動きを見て行動します。また、全員がそれを理解し、声を
    掛け合いながら働くことが大切です。

    Q5. これからの目標は?
    押し付ける医療ではなく、寄り添う医療をめざします。
    患者様が何を必要としているのかを見極め、提供できる薬剤師でいたいと思います。一時的にはできても、日々の業務の中で
    そういう姿勢を忘れがちのため、いつも心に留めておきたいことです。

    Q6. 薬学生のみなさんへ一言
    習うより慣れる事(or経験する事)が大切。
    私が薬剤師になって初めて投薬したのは、ビタミンD剤1種類の処方でしたが、ガッチガチに緊張してコンプライアンスの確認
    ひとつ出来なかった事を覚えています。
    薬局の就職を考えている人の中には調剤には自信があっても、投薬やカウンセリングに不安を抱える人もいるのではないで
    しょうか?実際に患者様と接して経験する事で、学んでいく事の方が、これまで勉強してきたことよりもずっと多いと思います。

  • 岐阜・長野エリア研修会 「在庫管理について」を実施しました

    岐阜・長野エリア研修会 「在庫管理について」を実施しました

    8月度のエリア研修会、テーマは「在庫管理」でした。
    薬局にはたくさんの薬が在庫されていますが、それでも薬が足りなかったり在庫そのものがなかったりすることも日常業務では時に起こることです。その一方で残念ながら使用期限が過ぎてしまって泣く泣く処分するものもあったりします・・・。

    在庫管理の重要性、それを身近な「冷蔵庫」にたとえて話をしていただきました。

    冷蔵庫の物が極端に少なければ食べたい時に食べられません(=薬の不足)。冷蔵庫のものが多すぎると食品が悪くなったり(=期限切れ)冷蔵庫の電気代が余分にかったりします(=在庫管理コストの上昇)。こう考えると私の家内も毎日が在庫管理なわけですね。この説明には一同納得!でした。

    また、経営指標みたいなものの解説もありました。在庫回転数は分かるのですが「交叉比率」はイマイチ理解しがたい項目でした。これも解説していただき理解がすすみました。

    各店の数値を提示していただいたのですが、ここで書いてしまうと企業秘密の漏洩になってしまうので割愛です(笑)

    在庫が過多になると会社は現金が在庫として眠っている状況なので、企業活動に支障が出てきます。これを血液とコレステロールの関係に例えていました。血液が現金、コレステロールが在庫というわけです。コレステロールが多ければ血液の流れが悪くなりますし、少なすぎると細胞の合成が滞ってしまうことになります。

    私は管理薬剤師として働いているので、在庫管理には興味があるのですが、エリア研修会の参加者は興味がある人もいたり、あまりピンと来なかったりする人もいたりと当初は様々な反応でした。
    しかし勝村部長の軽快な講義に引き込まれ皆面白いと感じている様子でした。
    薬や疾患について、また保険調剤について勉強することは多いのですが、経営関係の講義は普段余り意識していないこともあり新鮮味がありました。在庫管理について日々の業務に活かしていきたいと思いました。

    はなの木薬局 坂下店

    夏目 茂治

  • 大桑店の改装2

    大桑店の改装2

    今回も大桑店改装の様子をアップいたします。

    一番大がかりな作業として旧階段の撤去作業が始まりました。

    素人の考えでは、プラモデルを作るように単純に切り離して

    フタをする程度にしか思っていなかったのですが・・・^^;

    実際には既存の柱の位置や梁の状況の確認など・・・・

    これらを確認しながらの作業になります。

    限られた時間なので、慎重さとスピードを求められます。

    (薬局と同じですね・・・・^^)

    手際の良さに思わず作業に見とれてしまいました。

     

    今回は坂下店からも応援に来てくださり有難うございました。

    次の大きな作業は9月です。早く完成が待ち遠しいです^0^

  • 大桑店の店舗改装をスタートいたしました!

    大桑店の店舗改装をスタートいたしました!

    現在、長野県にて出店しています大桑店の改装を始めました^0^

    大桑村は人口約4100人で長野県南西部にあり木曾谷の南部に位置する
    山間の村になります。自然豊かなエリアであり空気が最高においしく
    毎日が森林浴のようであり癒される地域です^^

    大桑店は平成16年6月に出店し、地域に必要不可欠な薬局として
    その使命を遂行してまいりました。

    今回の大きな改装ポイントは3点です。

    1つ目は、患者さまへのプライバシー配慮を考慮したカウンターの整備。
    2つ目は、OTCや生活必需品の展開場所の充実を含めた快適な待合室整備。
    3つ目は、従業員が快適に休憩できるよう2階スペースの改装。

    まとまった改装スケジュールが組めないため約2か月間で3段階に
    分けて作業を行います。

    携わっていただきます業者の皆様・従業員の皆様に感謝いたします。
    是非、素晴らしい薬局に仕上げて行きたいですね^0^/

    ↑新規出入り口設置工事を見つめる曽我専務。

    改装の様子は随時Upさせていただきます。

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    4月の下旬、業務推進部の奥田部長が富山県薬剤師会の要請で
    東日本大震災の災害ボランティアとして派遣されました。

    5月21日の岐阜・長野エリア研修会でその時の報告が行われました。

    奥田部長が派遣されたのは、今回の大震災の中でも特に被害の大きかった宮城県石巻市。

    石巻高校がキーステーションとなっており、ここを拠点に石巻地区・女川地区の
    避難所廻り等の活動をされたとのことでした。

    被災地での薬剤師の役割としては

    調剤業務
    OTCの配布
    医薬品管理
    衛生管理

    などが挙げられます。

    仮設の診療所でドクターが診察を行い、その横で薬剤師が調剤と薬の説明をする。

    被災者の方々の健康状態を聞き取り、OTC薬の配布や受診勧告をする。

    支援物資として届けられた医薬品を整理・管理していく。

    3月・4月はまだ寒い季節でしたが、これから暑くなってくると衛生面での心配も出てきます。
    消毒薬を適切に使用し感染症を予防する。

    今回の被災地での医療支援のなかでは、薬という『モノ』だけではなく、
    薬剤師という『ヒト』も非常に求められたという話を聞きました。

    限られたわずかな種類の薬は、ドクターが普段使い慣れているものばかりとは限らないので、
    1つの薬に対してどの薬が代わりに使えるのかを助言する。

    患者さんが普段何の薬を服用しているかを聞き取る際にも、おくすり手帳や説明書がない場合に
    どの薬かを探しあてていくのですが、これも成分や効能だけでなく、色や形など
    薬の『顔』も知っている薬剤師だからこそできる仕事であると感じました。

    この地方でも近いうちに東海大地震が起こると言われ続けています。
    いざ実際に起こった時、自分はどう行動するだろうか?

    自分たちも被災者であるにも関わらず、薬局に寝泊まりし土日も関係なく
    薬局を開けて活動したという方々もみえると聞きました。

    それぞれの人が、それぞれの立場で、できることをする。
    言葉にするととてもシンプルなことですが、過酷な状況下で試行錯誤しながら
    実際に行動に移しておられる薬剤師の先生方には頭が上がりません。

    おくすり手帳の啓蒙など、被災地外にいる私たちが日々の業務のなかでできること、
    やるべきこともたくさんあると思います。
    普通の生活が送れることに感謝しながら、一人ひとりが考えていかなければならないと思いました。

    奥田部長の話を聞きながら何度となく涙が出そうになりました。
    貴重な体験をお話ししてくださって有難うございました。

    最後になりましたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
    心から笑える日が一日も早く来るようお祈りしています。

    はなの木薬局 坂下店
    児玉 洋子

  • 木曽緩和ケア研修会報告

    木曽緩和ケア研修会報告

    大桑はなの木薬局の山瀬です。

    2月26日〜27日にかけて、緩和ケア研修会に参加しました。以下、講習会の要旨を報告します。

    医師、看護師、薬剤師と様々な職種から研修会の参加がありました。講師やスタッフとして、信州大学附属病院や岡谷、飯田、伊那方面病院の緩和ケアチームの皆さん、木曽病院の緩和ケアチームの方が参加されました。

    1.緩和ケアについて

    一般に、まだ緩和ケア=ターミナルケアと、とらわれがちです。従来のがん医療は、抗がん治療がまず行われ、その後緩和ケアに移行するというかたちでした。

    WHOにおける緩和ケアの定義では、緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of lifeを改善する取り組みとあります。QOLの向上は、結果として治療の予後に良い影響をもたらすことがわかっています。今後の包括的がん医療モデルは、抗がん治療が始まると同時に早期から緩和ケアを必要に応じ有機的に行っていくこととあります。

    質問1:あなたがもしがんになったとしたら、大切にしたいと思うことは何ですか?

    質問2:あなたがもしがんになったとしたら、気がかりなことは何ですか?

    望ましい死を迎えるために、人によって重要だと考えることは異なります。また、がん患者の苦痛は精神的社会的苦痛などもあり多面的です。がん患者の苦痛に対しては全人的に捉えなければなりません。全人的苦痛(Total pain)といいます。これらに対し、医師のみが対処することは不可能であり、看護師・薬剤師・MSWなどチームとしてのアプローチが重要となります。

    質問3:あなたが、治る見込みがなく死期が迫っている(余命が半年以下)と告げられた場合 1.あなたはどこで療養したいですか? 2.最後をどこで迎えたいですか?

    ひとそれぞれに希望する療養場所は異なり、時とともに変化します。緩和ケアは「病気の時期」「治療の場所」を問わず提供され、「苦痛(つらさ)」に焦点があてられます。

    「何を大切にしたいか」は、患者・家族によって異なり、いつでも、どこでも、切れ目のない質の高い緩和ケアを受けられることが大切です。

    2.がん疼痛の評価と治療

    がん患者の痛みの評価、薬物療法、オピオイドの使い方・注意点、非薬物療法・ケア、薬物以外の対処方法についての学習。比較的薬剤師の専門とするところの講義内容でした。

    3.消化器症状(嘔気・嘔吐)

    がん治療において、嘔気・嘔吐の症状はよく見られる場面です。原因として薬剤師がまず想像するのはオピオイドによる副作用ですが、原因は病状の進行や他の原因も考えられます。原因を的確に検索し評価することで嘔気・嘔吐の治療を行うことを学習しました。また治療以外でも、嘔気・嘔吐のケアが重要で、患者さんの環境にも気を配ること(臭気・食事・香水 暖かい食物はにおいが強くなる、安楽な体位をとる、食事の工夫、気分転換等)を学習しました。治療抵抗性の嘔気・嘔吐に対しその他の治療法として、船酔い防止の目的で販売されている「シーバンド」という商品が有効であったという話題も興味深かったです。

    4.がん疼痛事例検討

    グループワーク形式で、がん疼痛の症例の検討を行い、疼痛の評価とそれに基づく適切なマネジメントと、がん患者のtotal painに配慮し対処することを学習しました。医師・看護師・薬剤師がうまくグループ構成できたので、即席の緩和ケアチームの形態がとれました。実際の緩和ケアチームはこのような検討がされているのだろうなという雰囲気が体験できました。

    5.呼吸困難について

    呼吸困難は、がん患者において高頻度に認められQOLを下げる重要な症状です。呼吸困難とは「呼吸時の不快な感覚」という患者の主観的な症状であるということです。薬物療法のみならず、環境調整(患者の楽な姿勢、においなど不快感に対処、不安への対応等)のケアも症状緩和に重要であることを学習しました。

    6.ロールプレイ(オピオイドの導入をスムーズに行う)

    オピオイドの導入については、既に病院で説明を受けてくるので、一からの説明は薬局ではまず経験がありません。しかし、副作用の適切な説明や患者本人や家族の不安などに対応する機会は日常業務ではよく経験することです。患者や家族の表情などにも注意し、丁寧な説明や言語以外のコミュニケーションにも心掛けることを再認識しました。

    7.精神症状(気持ちのつらさ)について

    がん治療中において、気持ちのつらさは患者のQOLの低下をまねいたり、死にたいという思いが強まったり(最悪の場合自殺につながる)、治療意欲を奪う等様々な悪影響をもたらします。気持ちのつらさはどうやって評価するか、気持ちのつらさに対するケアは何を行うか、薬物療法には何を用いるかを学習しました。ケアとして、まずはじっと患者の言葉に耳を傾けることが大切です。場合によっては専門家(精神科医)へのコンサルテーションを行います。

    8.精神症状(せん妄)

    せん妄は、終末期がん患者の30〜40%に合併し、死亡直前においては患者の90%がせん妄の状態にある誰もが経験する精神症状です。せん妄も、様々な悪影響をもたらします(危険行動による事故・自殺、家族とのコミュニケーションの妨げ、家族の動揺、医療スタッフの疲弊等)。原因の検索、治療、家族への適切な説明などを学習しました。

    9.がん医療におけるコミュニケーション(がん医療におけるコミュニケーションについて)

    悪い知らせを伝えるというテーマでコミュニケーション技術について学習しました。特にがんにおいて悪い知らせを使える際は、患者(家族)のみならず伝える側(医師)のストレスも相当なものということがわかりました。日常業務では直面しないケースですが、共感、同意、傾聴というコミュニケーションに重要なポイントを再認識しました。

    10.地域連携と治療・療養の場の選択(グループディスカッション)

    緩和ケアの地域連携の問題点、解決策を検討しました。一番の問題点となるのは、やはりマンパワーの不足のようです。個人レベルでも、まだ緩和ケアについて知識や情報が不十分であることも課題でした。

    感想

    今回の研修会は、医師・看護師・薬剤師と違う職種のメンバーが同じ講習を受ける形で、普段の仕事の中で、特に保険薬局に勤務する薬剤師は、医師や看護師と同じテーブルで議論を交わす機会は少ないので、大変貴重な体験ができました。ロールプレイのセッションでは、医師や看護師の患者に対しての対応や言葉使いなどみることができ、大変参考になりました。薬剤師は薬の説明や副作用の説明に集中してしまいがちです。ただ話を聞いてあげるだけで、楽になる患者さんもいます。まずは、患者さんの顔をみて話を聞くことを心がけたいものです。

  • 岐阜・長野エリア研修会報告 『 パーキンソン病の病態と治療について 』

    岐阜・長野エリア研修会報告 『 パーキンソン病の病態と治療について 』

     今回は、岐阜県中津川市坂下にございます 『 はなの木薬局 坂下店 
    の児玉薬剤師が 『パーキンソン病の病態と治療について』 という演題で発表を
    してくださいました。

    パーキンソン病は、錐体外路機能の異常により引き起こされる病気です。
    原因は中脳の黒質神経細胞が減ることにより、そこで産生されるドパミンが減っていき、
    相対的に脳内のアセチルコリンの量が上がることで種々の症状が現れてきます。なんと!!10万人に100 150人で発症し、40 70歳に好発するそうです。パーキンソン病の症状としては4つの症状があります。


    1 振戦(Tremor)
    2 筋固縮(Rigidity)
    3 無動(Akinesia)
    4 姿勢反射障害(Postural instability)

    この4つの頭文字をとってTRAPと呼ばれるそうです。
    パーキンソン病の治療は、基本的にはドパミンを補充することで運動機能の改善を図ります。
    補助的に抗コリン薬、アマンタジン使います。

    代表的な治療薬として・・・    

    【レボドパ製剤】
    レボドパ単独経口摂取では、末梢でほとんどが分解されてしまうため、カルビドパ、
    ベンセラシド(レボドパを分解する酵素を阻害する)を加えた配合剤が使われます。    

    【ドパミン受容体刺激薬】
    麦角系と非麦角系があります。
    麦角系の薬の副作用に突発性睡眠、非麦角系の薬の副作用に心臓弁膜症や
    間質性肺炎が起こることがあります。
    治療にはまず非麦角系から始め、効果不十分の時に麦角系を使います。
    これらの薬は急に止めることで悪性症候群(無動、寡黙、筋固縮、高熱、意識障害
    などの症状が現れる)が起こることがあるので注意が必要です。    

    【MAO-B阻害薬(モノアミン酸化酵素)】
    中枢内でドパミンを分解する酵素を阻害することで、脳内のドパミン量を高めます。
    日本ではレボドパとの併用が原則です。副作用には不眠があります。    

    【COMT阻害薬(カテコール-O-メチル基転移酵素)】
    中枢外でドパミンを分解する酵素を阻害することで、ドパミンの量を増やし脳内への
    移行する量を上げます。
    こちらもレボドパとの併用で使われます。    

    【ドパミン遊離促進薬】
    インフルエンザの治療薬として作られましたが、パーキンソン病の運動症状を改善した
    ことから使われるようになった薬です。    

    【抗コリン薬】
    ドパミンが減ることで相対的に多くなっているアセチルコリンの働きをブロックする働きが
    あり一番古くから使われている薬です。
    アセチルコリンの働きが抑えられると認知機能が低下することがあり、高齢者にはあまり
    使われません。    

    【ノルアドレナリン前駆体】
    ノルアドレナリンの前駆物質であるドロキシドパを投与することで、体内で代謝され
    ノルアドレナリンに変わり、パーキンソン病の進行したときに見られるすくみ足、
    姿勢維持障害を改善します。    

    【レボドパ賦活型パーキンソン病治療薬】
    レボドパに他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合に
    レボドパと併用する薬です。
    もともとはてんかんの薬で、痙攣発作を偶然に起こしたパーキンソン病患者に投与した
    ところ、痙攣が抑えられるだけでなく、パーキンソン病症状の著明な改善が見られたので
    使われるようになりました。
    作用機序はいくつか推定はされていますが、明確にはわかっていません。

    〈発表中の児玉薬剤師〉

    カメラを向けると恥ずかしがって、こちらを向いてくれませんでした(>_<)

     

     外科的治療としては・・・
    深部脳刺激術(Deep brain stimulation therapy, DBS)があり、脳に適切な電気的
    または磁気的刺激を継続的に送りこむことによって、症状の改善を図る治療法だそうです。
    患者さまに対するアドバイスしては・・・

    1、 勝手に薬を止めない
    ほとんどの薬にも言えることですが、今まで飲んでいた薬を急に止めることで現れる
    副作用があります。パーキンソン病治療薬では悪性症候群などです。

    2、 体を無理のない範囲で動かす
    体を動かすのは辛いかもしれませんが、動かさないことで筋力が衰えもっと動かなく
    なってしまうかもしれません。

    3、適切な食事
    便秘を防ぐために、食物繊維を多く摂ってください。タンパク質を少なめに摂ることで、
    レボドパの吸収を高めます。

    発表は以上でした。

     私が薬をお渡しする機会があるパーキンソン病の患者さまは、新規で薬を始める方は
    少なく、すでに罹患しており薬を続けている方が多いように感じます。
    長期間の日数で処方されている患者さまも多く、頻繁にお話する機会も少ないですし、
    ご高齢ということもあり代理の方が取りに来られることも良くあります。
    ですが・・・、もっと知識を深めることで、患者さまやご家族の方の不安解消、治療意欲の
    向上につなげることができるよう、がんばっていきたいと思います。

    児玉先輩!!ありがとうございました m(__)m

    はなの木薬局 坂下店
    横井 成尚

  • マナーセミナー

    マナーセミナー

    6月のエリア研修会では『マナーセミナー』を行いました。

    エリア毎で、別々に接遇研修を行っておりましたが、
    第1・第2エリア共に同じ先生による研修を行うのは今回が初めてです。

    今回は中北薬品株式会社の森 有紀子先生に、当社の接遇内規に沿った形で
    セミナーを行っていただきました。

    セミナーではゲームやロールプレイングを交えて
    薬局業務で必要なマナーを教わりました。
    あいさつ、身だしなみについて、処方せんの受け取り方、
    電話応対の仕方、クレーム応対など…

    普段から意識して行っているつもりでしたが、まだまだできていない部分もあり
    改めて見直す、いい機会となりました。

    自分も客としていろいろなお店に行った時、
    素晴らしい応対で気持ちよく過ごせることもあれば
    残念ながら「もうここのお店には来たくないな」と思ってしまうこともあります。

    薬局を選ぶ理由は様々だと思いますが、
    この薬局を選んで足を運んでくださった方との「縁」は
    たとえたった一度きりだったとしても大切にしたい。

    特に医療の場では患者さんとの信頼関係が何よりも大切です。

    薬というツールを通じて、患者さん一人ひとりの健康をまもりたい。
    マナーはその「思いやり」の気持ちを表すためのものであると実感しました。

    非常に有意義な2時間のセミナーでした。
    森先生ありがとうございました。

    坂下店 児玉