カテゴリー: 研修会・勉強会・学会の報告

  • アメリカ研修報告 2011年度 

    アメリカ研修報告 2011年度 

    弊社では昨年度より薬剤師教育の一環として

    日本保険薬局協会さまが主催する

    「薬剤師研修プログラム」in AMERICA

    に参加しております。

    今年度は私、勝村が出席させていただきましたので

    その研修内容を随時アップさせていただきます。

    どうぞよろしくお願いいたします^0^

    今回は平成23年9月25日から10月2日の6泊8日の

    スケジュールでした。

    場所はアメリカ東海岸のニューヨーク・ボストンを中心に

    研修を行いました。

    総勢34名にて、北は秋田県から南は沖縄県の薬剤師の先生方が

    参加されました。今回の参加者は30代を中心としたこれからを

    期待されるパワーみなぎる方々ばかりでした^^

    成田空港にて皆さんで顔合わせと自己紹介を行い

    いざ出発です!!

    (自己紹介とガイダンス風景です)

    12時間のフライト後にようやくJFK空港に到着です!!

    期待を胸に研修会が始まります^0^/

    (到着後すぐ空港にて)

    次回へ続く・・・・

     

    医薬事業部

    勝村 弘人

     

  • バイタルサイン講習会に参加してきました。

    バイタルサイン講習会に参加してきました。

    今回、 『 一般社団法人 在宅療養支援薬局研究会 』 主催の
    『 バイタルサイン講習会 』 に参加してきました。

    講師である 『 狭間 研至 先生 』 の御講演は、今まで何度か聞かせて
    いただいておりますが、毎回背筋が凍る思いでいました。

    今回、 『 バイタルサイン講習会 』 に参加した理由も、バイタルサインに
    対する興味だけではなく、現状実施させていただいている多職種連携の
    限界および日常の調剤業務の閉塞感を感じていたからです。

    私たちは、本当の意味で他職種の皆さまに承認していただけるために、
    医療現場で必要とされる本質的価値を提供していかなければいけません。

    私は、その本質的価値をずっと見いだせずにいました。

    その折、先生の御講演を聞き、衝撃を受けたことがきっかけとなります。

    今後、私たちが目指そうとしているコミュニティーファーマシーという
    位置付けの中で、1つのカテゴリーとしてのバイタルサインを通じて、
    医療現場に必要とされる役割を担える人材の育成を進めていくことは
    必須と考えています。

    その上で、まずはキャリアパスを明確にしてからの実践ということでしょうか。

    今回講習会を受けて、従来の保険調剤業務がハイクオリティであることは
    前提の上で、在宅療養支援、統合医療も含めたプライマリケアの実践を
    私たちは遂行していかなければいけないことを痛感しました。

    ただ、講習会を受けるにあたり、当初は危機感を抱いていたせいもあったのか、
    勝手に敷居を高く設定していたのかもしれません。

    しかし、講義の途中からは医療人としての喜びの方が優先し、本能的に
    楽しい感覚で満たされていました。

    狭間先生が言われる通り、今回の経験で私は小さな小川を飛び越えた
    のかもしれません。

    しかし、現在 同じ山の頂上を目指している仲間たちみんなで小川を飛び
    越えなければいけません。

    トレンドで入るのではなく、バイタルサインの意義と文脈を理解した上で、
    情熱を持って取り組んでいきましょう!!

    きっと、今まで踏み込んだことのない領域に踏み込む、新たな発見、
    希望、楽しさがあると思います。

    最後に、当日ご指導いただきました、狭間先生、運営に関わられた
    スタッフの皆さま、ディレクター、インストラクターの先生方、当日参加
    されました先生方に深くお礼を申し上げます。

    奥田 武詩

  • 研修会 「喘息死ゼロ作戦『吸入療法の標準化 実演を交えて』」 に参加してきました。

    研修会 「喘息死ゼロ作戦『吸入療法の標準化 実演を交えて』」 に参加してきました。

    9月7日に富山市薬剤師会主催の講演会に参加してきました。

    講演会の演題は「 喘息死ゼロ作戦 『吸入療法の標準化 実演を交えて』」でした。

    富山市民病院の石浦嘉久先生に御講演頂きました。

    日本において喘息死で1年間に亡くなられる患者さまは約2300人。吸入薬の使用量の増加とともに、喘息で亡くなられる患者さまは半減してきているとのことです。

    一方で喘息に罹患している患者さまは倍以上に増加しているので、現在の治療法の効果で死亡率は1/4以下まで抑えられている計算になります。

    今後、喘息死ゼロを目指すためには、多くの患者さまに適正な使用方法を浸透させる必要があるとのことでした。そのために、私たち薬剤師の協力が不可欠とおっしゃっていました。

    患者さまのお役に立てることがわかると、一層やる気が出てきます。

    以前の治療方針では気管支拡張薬を使用して、発作を鎮める治療法が中心で、一時的に発作を鎮められても、再発を繰り返す患者さまが多かったそうです。

    現在は、発作を鎮めるだけでなく、吸入薬を用いて炎症を抑えることで、健康な時と変わらない生活を送れるまで改善させる治療方針だそうです。

    吸入薬はドライパウダー式吸入器と、定量噴霧式吸入器があります。大きな違いは薬剤の粒子径で、径の大きさにより肺の到達の深さが異なります。勢いよく吸い込んでも奥まで到達するわけではないというので驚きです。

    喘息の原因物質も同様に粒子径で、到達する深さが決まるため、原因物質によって薬剤を使い分けるのだそうです。

    吸入薬には多くの種類がありますが、重要な使い分けがあることを教えて頂きました。

    以下に、実演とともにご指導いただいた吸入の方法の要点をまとめたいと思います。

    オルベスコ®、キュバール®などは細かい粒子径で肺胞まで到達させることが目的の薬剤です。ゆっくりと吸うことで末梢まで行きやすくなります。噴霧の際、口を直接つけると喉にたくさん薬剤がついてしまうので、3 4cm離して吸入します。吸入はゆっくり5秒かけて、10秒間息を止めて薬剤を肺に沈着させます。

    アドエア®、フルタイド®はカビの粒子、黄砂などと同じ粒子径だそうで、主に気管支に作用するようです。吸入は早く深く吸い込みます。そして10秒間息を止めて薬剤を肺に沈着させます。

    パルミコート®、アズマネックス®は粒子径の細かいドライパウダー式です。肺の奥まで到達させるため、ゆっくり吸入します。容器の周りに空いている空気口を塞がないように持ちます。ゆっくり吸って、10秒間息を止めて薬剤を肺に沈着させます。

    吸う勢いと息止めの10秒間は特に重要です。

    アレルギー性鼻炎のある方は、鼻から息を出すと少し楽になるようです。

    喘息の治療で重要なのは、正しい用法で使用し続けていくことだそうです。そのために、初回だけでなく、2回目以降も継続的な指導を行ってくださいとのことでした。

    本郷店では今回講演いただいた石浦先生の患者さまのお薬を数名お渡しさせて頂いております。石浦先生の処方の意図を理解するいいチャンスと思い参加しました。本当に詳しくご説明頂きありがとうございます。

    今後は、石浦先生はじめ、呼吸器の専門医の先生方とのより一層連携が取れた服薬指導で、患者さまの健康に貢献できるかと思います。

    今後も患者さまの健康増進のため、日々自己研鑚を続けて行きたいと思います。

    本郷はなの木薬局

    福島 靖也

  • 岐阜・長野エリア研修会 「在庫管理について」を実施しました

    岐阜・長野エリア研修会 「在庫管理について」を実施しました

    8月度のエリア研修会、テーマは「在庫管理」でした。
    薬局にはたくさんの薬が在庫されていますが、それでも薬が足りなかったり在庫そのものがなかったりすることも日常業務では時に起こることです。その一方で残念ながら使用期限が過ぎてしまって泣く泣く処分するものもあったりします・・・。

    在庫管理の重要性、それを身近な「冷蔵庫」にたとえて話をしていただきました。

    冷蔵庫の物が極端に少なければ食べたい時に食べられません(=薬の不足)。冷蔵庫のものが多すぎると食品が悪くなったり(=期限切れ)冷蔵庫の電気代が余分にかったりします(=在庫管理コストの上昇)。こう考えると私の家内も毎日が在庫管理なわけですね。この説明には一同納得!でした。

    また、経営指標みたいなものの解説もありました。在庫回転数は分かるのですが「交叉比率」はイマイチ理解しがたい項目でした。これも解説していただき理解がすすみました。

    各店の数値を提示していただいたのですが、ここで書いてしまうと企業秘密の漏洩になってしまうので割愛です(笑)

    在庫が過多になると会社は現金が在庫として眠っている状況なので、企業活動に支障が出てきます。これを血液とコレステロールの関係に例えていました。血液が現金、コレステロールが在庫というわけです。コレステロールが多ければ血液の流れが悪くなりますし、少なすぎると細胞の合成が滞ってしまうことになります。

    私は管理薬剤師として働いているので、在庫管理には興味があるのですが、エリア研修会の参加者は興味がある人もいたり、あまりピンと来なかったりする人もいたりと当初は様々な反応でした。
    しかし勝村部長の軽快な講義に引き込まれ皆面白いと感じている様子でした。
    薬や疾患について、また保険調剤について勉強することは多いのですが、経営関係の講義は普段余り意識していないこともあり新鮮味がありました。在庫管理について日々の業務に活かしていきたいと思いました。

    はなの木薬局 坂下店

    夏目 茂治

  • 在宅緩和ケア県民フォーラムに参加して

    在宅緩和ケア県民フォーラムに参加して

    7月24日(日)、富山県富山市のボルファートとやまで開催されたフォーラムに参加してきました。【がんの最後は大切な人と共に 住み慣れた家で看取る文化の再生を 】というテーマのもと、千葉よりいらっしゃった さくさべ坂通り診療所院長 大岩孝司先生の講演をはじめ、県内の在宅緩和ケアに積極的に取り組む医師・看護師による取り組み紹介が行われました。

    がん患者の在宅緩和ケアを専門的に行っていらっしゃる大岩先生からは『誤解だらけのがんの痛み』という演題の講演がありました。がんについて、特に終末期といわれるがんの状態での誤解がはなはだしい。「がんは最後に痛くなり、その苦しみで七転八倒する」「最後は意識がなくなる」「モルヒネを使うと、幻覚が出てわけがわからなくなる」…など。これらの誤解は、患者様やそのご家族だけではなく、医療従事者にも多くみられるそうです。私自身も緩和ケア=麻薬、疼痛コントロールというイメージしかありませんでしたが、先生のお話を聞き、全人的苦痛という考え方を学びました。患者様の話をしっかり聞き、何を不安に思っているかを把握し、痛みの閾値を上げることができるようなサポートが出来るようになっていきたいと思いました

    次に県内での取り組み紹介として5名の方が報告されました。

    まずお母様をご自宅で看取られた、ご遺族の方のお話がありました。自宅での療養期間は長くはなかったそうですが、幸せな時間だったとお話されていました。スライドの中のご本人を囲んでの写真は、ご本人そしてご家族の笑顔がとても印象的でした。

    次に富山赤十字病院 緩和ケア認定看護師の村上さんより、急性期病院の緩和ケアチームの看護師として活動する中で、患者様より「家で過ごしたい」という気持ちをたくさん聴いてこられた、その経験を踏まえて、心地よい時間を過ごしてもらえるように、医師や訪問看護師などと連携を図りながら、療養場所の選択についてお手伝いし、生活の質を高めるようにケアをしているという報告がありました。

    3人目は富山県済生会高岡病院緩和ケア委員長 医師の村上先生より、済生会高岡病院での実際の取り組みについて報告がありました。在宅療養を行う上で、病院側は地域へ丸投げではなく、安心と信頼をいかに継続するかを真剣に考えて、無理なく取り組める内容を検討するということが重要だそうです。村上先生の緩和ケアチームは、訪問診療を行っており、開業医が行うことができない在宅での医療を提供し、開業医の先生との連携をうまくとっているそうです。患者様としても、在宅に移ることで病院から追い出されたと感じる方が中にはいらっしゃるそうですが、いつでも病院も患者様を診ていますよという安心感を与えることがそのような不安を解消できるのではないかと報告されていました。

    4人目は高岡市医師会訪問看護ステーション 看護師の野田さんより在宅での症例の報告がありました。訪問看護師の看護内容の説明や患者様の希望に寄り添いたいという気持ちには、私たち薬剤師が見習うべきところをたくさん感じました。

    最後に新川地域在宅医療療養連携協議会 医師の川瀬先生より、開業医の立場から新川地域における在宅緩和ケアへの取り組みについて報告がありました。「患者さんが退院してご自宅へ帰った時に、普段から顔見知りのかかりつけ医が訪問診療を行う」というような考えを持った開業医が集まって、連携病院の協力と多職種の参加・協力により在宅に取り組んでいる様子を発表されました。多職種との連携で私がとても興味を持ったのは、あんしん在宅ネットにいかわの情報共有ツールを用いた、情報のやり取りです。訪問後の報告を全職種が見ることができ、さらには問題点を提起すると多職種で検討することができるそうです。

    先生のまとめのお話の中で、「最後を自宅で迎えることができなかったとしても、それまでの自宅での生活・療養にご家族が関わり、それをサポートすることには大きな価値がある」とありました。今回のような在宅で看取るというテーマは、病院で看取ることになったときの患者様やその家族が敗北感のような感情を感じてしまう可能性がありますが、そうではないんだということを優しくお話されていたのが印象的でした。

    その後フロアとの意見交換がありました。実際にお子さんをがんで亡くされたお母さん、今現在ご家族ががんとなり、余命宣告をされたご家族より助言者や報告者に質問がありました。その後も活発な意見交換があり、最後に薬剤師としてフロアより発言を求められました。

    薬剤師が在宅緩和ケアを含む在宅医療の現場で、どのようなことができるのか、また今後の取り組みについて以下のような話をしました。

    『薬剤師は処方されたすべてのお薬、麻薬も含めて管理を行い、疼痛コントロールがうまくできているか、副作用は出ていないか、定時薬やレスキュー薬の飲み方使い方が間違っていないかなどしっかりと確認します。現状、現場では訪問看護師やヘルパーが、貴重なサービスの時間を削って、お薬の管理を行っているケースが多いと聞いていますが、そこで、薬のことを薬剤師に任せていただくことで、本来行うべき業務を優先することが可能となり、より患者様のニーズに合ったサービスを提供できるのではないでしょうか。このように麻薬管理を含めて薬剤管理を薬剤師が行うことで他の職種の方々の負担軽減に努めていきたい。』『次に、今後の取り組み、課題としては、医師、看護師をはじめ他職種の方々との連携をより一層、密にとりあっていくこと。連携を取り、患者様の情報を共有することで、私たち薬剤師も在宅医療のチームに参加し、患者様そしてご家族の方々のQOL向上に励んでいきたい。手探りではありますが、在宅医療チームの一員として薬剤師に何ができるのかを、しっかりと考え、行動していきたい。』

    与えられた3分間の中で、薬剤師として在宅緩和ケアの現場で何ができるかということを精いっぱいアピールしてきました。打合せも含め今回の報告者の方々といろいろお話させていただきました。薬剤師としての力のなさを痛感し、今後より一層の努力しなければいけないということを強く思いました。

    本郷はなの木薬局
    松本 裕樹

  • 石川・富山エリア研修会のご報告 『 症例報告会 』

    石川・富山エリア研修会のご報告 『 症例報告会 』

    こんにちは!

    今回は、去年に引き続き2回目の症例報告会です!

    前回、自分は発表する立場だったのでドキドキでしたが、今回は聞く側です。

    これは心に余裕があるってもんですよ^^

    まずは、6月に開局したばかりの『 上飯野はなの木薬局 』 から

    「配合錠の併用によりARBの重複、それによる1日最大投与量の超過」

    実は自分、未だに2種の配合錠の重複処方は見たことがなかったりします。

    お次は、『 田上はなの木薬局

    「薬剤の継続服用による不信感や不安の解消、皮膚科領域におけるビオチン散、レベニンS散処方の目的」

    同じような処方の患者様がいるので、これで対応の幅が増えますね。

    続いて、『 もりの里はなの木薬局

    「潰瘍性大腸炎について」

    身近な体験も交えた発表で、色々と見習わなければならない所が沢山ありました!

    続いて、『 本郷はなの木薬局

    「在宅での確認事項」

    今後増えていくであろう在宅療養支援、その手順の勉強をする良い機会でした。

    処方薬の配達で患者様に直接会って話しをする事はよくあるのですが、それに近い物を感じました。想像していた物より難しい事ではないのかもしれませんね!

    最後に、我らが 『 大徳はなの木薬局 』!

    「トレーシングレポート(施設間情報連絡書)」

    処方薬による副作用を、トレーシングレポートを活用して解決した症例です。

    その後、何グループかに分かれてトレーシングレポートに関する症例についてのディスカッションを行いました。

    ディスカッションのまとめを発表するのですが、ココでまさかの発表者に選ばれてしまいました。

    最後まで油断できないところが恐しい・・・。

    各店舗で傾向の違う報告会でした。お互いに情報が共有できて、とても有意義な時間だったと思います。

    でもやっぱり、発表は緊張するから苦手だなぁ(笑)

    大徳はなの木薬局
    米島 聡

  • 東濃5市「薬薬連携推進研修会」に参加してきました。

    東濃5市「薬薬連携推進研修会」に参加してきました。

    今回、瑞浪市地域交流センターときわにて、
    東濃5市薬薬連携推進研修会が開催されました。

    この研修会にて、
    当社の曽我専務が恵那・中津川地区での現状説明を行いました。

    曽我専務の講演は、主に国保坂下病院で今年から本格的に
    行われるようになった在宅医療についてでした。

    はなの木薬局坂下店では、現在5名の在宅患者様の処方せんを
    受けております。

    在宅医療は、患者様を支えていくために、処方していただいている
    先生はもちろん、 病院内の薬局、訪問看護師、ケアマネージャーなど
    様々な方々との連携が重要です。

    しかしながら、現状ではまだ我々薬局薬剤師の提案よりも、訪問
    看護師の一言を医師が重視することが少なくないことも確かなようです。

    我々も薬剤師という立場でさらに深く協力できるように日々学び、成長
    する必要があると感じました。

    また、特別講演といたしまして岐阜県総合医療センターの遠藤秀治先生の
    お話を聞かせていただくこともできました。

    先生のお話では、病院と薬局の連携として、患者様が入院した時、薬局は
    それまで服用していたお薬を病院に伝え、また、退院した時には、病院は
    入院時や退院時に服用していたお薬を薬局に分かるようにするといった連携
    を実際に進められているようです。

    今後ますます重要となるであろう薬薬連携、私もそれに対応できる薬剤師を
    目指したいものです。

    はなの木薬局 坂下店
    萩原 淳一

  • 石川・富山エリア研修会報告 『うつ病と躁うつ病 ?私たちに何ができるのか?』

    石川・富山エリア研修会報告 『うつ病と躁うつ病 ?私たちに何ができるのか?』

    今回は、もりの里店の上山薬剤師が『うつ病と躁うつ病』というテーマで発表してくださいました。

    うつ病の病因は様々ですが、その仮説として
    1.脳内のドパミン・ノルアドレナリン・セロトニン等のモノアミンが減少することによって発症するモノアミン仮説

    2.モノアミンが作用する受容体が多いために神経伝達機能が亢進しているという受容体仮説

    3.神経細胞の成長を調整する脳細胞の増加に不可欠なBDNF:脳由来神経栄養因子が関与しているのでは
    ないかという仮説があります。

    他にも鉄欠乏性貧血や甲状性疾患、歯科治療で歯に詰める重金属も病因となることがあります。

    現在では5人に1人が羅患し、誰でもなりえる現代病の一つと言えます。

    うつ状態であってもうつ病とは限らず、抑うつ気分や興味・喜びの喪失の継続等、診断基準が確立されています。

    うつ病の患者様にとって一番の仕事は休養と十分な睡眠であり、それと平行して体のなかでおこっている異常を
    薬で修正するという認識が必要です。

    (発表してくださった上山薬剤師)

    次に、躁うつ病とは躁病相とうつ病相を繰り返す病態と単純に思われがちですが、はっきりした躁病相がない場合もあり、
    こういった場合が続くとうつ病と見分けるのは難しくなります。

    また、症状がおさまっていても放っておくと多くの場合再発し、経過とともに再発の間隔が短くなるため、治療としては再発を
    防止することが必要不可欠となります。

    この二つの疾患は似ているようで全く異なり、違う経過や薬物療法となります。うつ病は第一選択薬に抗うつ薬や、補助的に
    抗不安薬を投与するのに対して、躁うつ病は気分安定薬やクエチアピン、ラモトリジンが使用されます。第一選択薬に抗うつ薬を
    投与するのは症状の悪化を招くことがあるためです。

    (質疑応答の様子)

    今回、実際に上山薬剤師の周りで発病された方々のお話や治療経過をお聞きしましたが、ご本人は本当に辛い思いを
    沢山されていました。本人が一番辛いのは当然ですが、特に躁病相を支える周りのご家族の努力であったり、うつ病相の
    患者様のための環境の配慮であったり、周囲の協力なしには治療を為しえないということです。

    思うようにいかない自分、接する周りの方との折り合い、薬の副作用、そして私たち薬剤師の対応でも辛い思いをされたとのことでした。

    言葉はほんの少しニュアンスが違うだけで捉え方が変わること、話し方や表情、目線・・・当たり前のことではあるけれど、
    患者様と接するその一瞬一瞬を大切にしなければならないと強く思いました。

    今回は大変勉強になったと同時に、患者様の背景を考えさせられる機会を頂いたように感じています。

    上山薬剤師、ありがとうございました!そしてお疲れさまでした♪

    もりの里はなの木薬局  浅井 真依子

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    4月の下旬、業務推進部の奥田部長が富山県薬剤師会の要請で
    東日本大震災の災害ボランティアとして派遣されました。

    5月21日の岐阜・長野エリア研修会でその時の報告が行われました。

    奥田部長が派遣されたのは、今回の大震災の中でも特に被害の大きかった宮城県石巻市。

    石巻高校がキーステーションとなっており、ここを拠点に石巻地区・女川地区の
    避難所廻り等の活動をされたとのことでした。

    被災地での薬剤師の役割としては

    調剤業務
    OTCの配布
    医薬品管理
    衛生管理

    などが挙げられます。

    仮設の診療所でドクターが診察を行い、その横で薬剤師が調剤と薬の説明をする。

    被災者の方々の健康状態を聞き取り、OTC薬の配布や受診勧告をする。

    支援物資として届けられた医薬品を整理・管理していく。

    3月・4月はまだ寒い季節でしたが、これから暑くなってくると衛生面での心配も出てきます。
    消毒薬を適切に使用し感染症を予防する。

    今回の被災地での医療支援のなかでは、薬という『モノ』だけではなく、
    薬剤師という『ヒト』も非常に求められたという話を聞きました。

    限られたわずかな種類の薬は、ドクターが普段使い慣れているものばかりとは限らないので、
    1つの薬に対してどの薬が代わりに使えるのかを助言する。

    患者さんが普段何の薬を服用しているかを聞き取る際にも、おくすり手帳や説明書がない場合に
    どの薬かを探しあてていくのですが、これも成分や効能だけでなく、色や形など
    薬の『顔』も知っている薬剤師だからこそできる仕事であると感じました。

    この地方でも近いうちに東海大地震が起こると言われ続けています。
    いざ実際に起こった時、自分はどう行動するだろうか?

    自分たちも被災者であるにも関わらず、薬局に寝泊まりし土日も関係なく
    薬局を開けて活動したという方々もみえると聞きました。

    それぞれの人が、それぞれの立場で、できることをする。
    言葉にするととてもシンプルなことですが、過酷な状況下で試行錯誤しながら
    実際に行動に移しておられる薬剤師の先生方には頭が上がりません。

    おくすり手帳の啓蒙など、被災地外にいる私たちが日々の業務のなかでできること、
    やるべきこともたくさんあると思います。
    普通の生活が送れることに感謝しながら、一人ひとりが考えていかなければならないと思いました。

    奥田部長の話を聞きながら何度となく涙が出そうになりました。
    貴重な体験をお話ししてくださって有難うございました。

    最後になりましたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
    心から笑える日が一日も早く来るようお祈りしています。

    はなの木薬局 坂下店
    児玉 洋子

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (石川・富山エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (石川・富山エリア研修会報告)

    毎月定例のはなの木薬局 石川・富山エリア研修会を行いました。

    今回は、業務推進部の奥田部長が東日本大震災の被災地のボランンティア活動に参加された際の活動報告ということで、薬剤師、医療事務、薬学部の実習生も参加しての研修会となりました。

    奥田部長が被災地に入られたのは震災後1ヶ月半が経とうとしている時期でありましたが、被災地の僻地、少人数の避難所にはまだまだケアが行き届いておらず、ようやく医療チームが始めて訪れているようなところもあったそうです。

    保険薬局の薬剤師にしかできないことがある

    ということで、このような資料を持参されたそうです。
    いつも飲んでいる薬を無くしてしまった方に聴取する際に実際にお見せして薬を割り出す、これも日頃から様々な処方せんを調剤する機会のある保険薬局薬剤師だからできると。

    お薬手帳の活用。災害時にいつも飲んでいる薬が分からない。そんなときに役立つお薬手帳。この必要性を患者に啓蒙すべきなのも保険薬局の役割。

    必要な薬が不足している場合はOTCで対応する。これも日頃OTCに触れる機会を持ち合わせている保険薬局薬剤師だからこそできること。

    それぞれの立場で誰かのためにできることをする。

    医療を担う立場のもの。
    自身が被災者でありながら、現場に駆けつけた者。震災以降、休みなしでパンク寸前の仮設診療所で、医療を必要とする方のために働き続ける大勢の方。
    それをサポートする遠隔地から駆けつけたボランティアのメンバー。
    その中で我々保険薬局薬剤師、医療事務それぞれが今いちばんしなければいけないことをする。

    一人ひとりの力を結集することでおおきな取り組みへと繋がる。

    もし今ここが被災地となったら自分ならなにをするか・・・
    ディスカッション風景です。
    ・在宅でいつも関わっている患者を訪問する
    ・日頃からお薬手帳の必要性を周知できるよう努める
    ・薬剤師でなくとも、話し相手にだけでも

    等様々な意見が出ました。

    私も薬剤師としてはまだまだ駆け出しではありますが、どんなときでも医療従事者として何かできるように日々自己研鑽していこうと感じました。

                             田上はなの木薬局
    太田 聖絵