カテゴリー: 私たちの取組み

  • 上飯野はなの木薬局 開局いたしました。

    上飯野はなの木薬局 開局いたしました。

    平成23年6月6日(月) 富山市小西にて

    「上飯野はなの木薬局」をオープンいたしました。

    第二エリアでは5店舗目となります。新しいスタッフも

    加わり、全員で「心」と「身体」の健康に貢献させて

    いただきます。

     

    上飯野店はドライブスルーによるお薬の受け渡しが特徴的であり、

    お子様連れの方や足腰の不自由な方でも車に乗ったままお薬を

    受け取ることができます。また、雨や雪の日でも濡れることが

    ないので非常に便利です。

    今後も患者さまや地域の皆さんのニーズに対応できる

    魅力的な薬局を創り上げていきます。

    携わっていただきました様々な方のおかげで無事に

    オープンを迎えることができ感謝いたします。

    ありがとうございました。

     

    ハーブやアロマも引き続き販売いたしております。

    営業期間

    月・火・水・金    9:00から18:00

    木・土       9:00から13:00

    定休日      日曜・祝日

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (岐阜・長野エリア研修会報告)

    4月の下旬、業務推進部の奥田部長が富山県薬剤師会の要請で
    東日本大震災の災害ボランティアとして派遣されました。

    5月21日の岐阜・長野エリア研修会でその時の報告が行われました。

    奥田部長が派遣されたのは、今回の大震災の中でも特に被害の大きかった宮城県石巻市。

    石巻高校がキーステーションとなっており、ここを拠点に石巻地区・女川地区の
    避難所廻り等の活動をされたとのことでした。

    被災地での薬剤師の役割としては

    調剤業務
    OTCの配布
    医薬品管理
    衛生管理

    などが挙げられます。

    仮設の診療所でドクターが診察を行い、その横で薬剤師が調剤と薬の説明をする。

    被災者の方々の健康状態を聞き取り、OTC薬の配布や受診勧告をする。

    支援物資として届けられた医薬品を整理・管理していく。

    3月・4月はまだ寒い季節でしたが、これから暑くなってくると衛生面での心配も出てきます。
    消毒薬を適切に使用し感染症を予防する。

    今回の被災地での医療支援のなかでは、薬という『モノ』だけではなく、
    薬剤師という『ヒト』も非常に求められたという話を聞きました。

    限られたわずかな種類の薬は、ドクターが普段使い慣れているものばかりとは限らないので、
    1つの薬に対してどの薬が代わりに使えるのかを助言する。

    患者さんが普段何の薬を服用しているかを聞き取る際にも、おくすり手帳や説明書がない場合に
    どの薬かを探しあてていくのですが、これも成分や効能だけでなく、色や形など
    薬の『顔』も知っている薬剤師だからこそできる仕事であると感じました。

    この地方でも近いうちに東海大地震が起こると言われ続けています。
    いざ実際に起こった時、自分はどう行動するだろうか?

    自分たちも被災者であるにも関わらず、薬局に寝泊まりし土日も関係なく
    薬局を開けて活動したという方々もみえると聞きました。

    それぞれの人が、それぞれの立場で、できることをする。
    言葉にするととてもシンプルなことですが、過酷な状況下で試行錯誤しながら
    実際に行動に移しておられる薬剤師の先生方には頭が上がりません。

    おくすり手帳の啓蒙など、被災地外にいる私たちが日々の業務のなかでできること、
    やるべきこともたくさんあると思います。
    普通の生活が送れることに感謝しながら、一人ひとりが考えていかなければならないと思いました。

    奥田部長の話を聞きながら何度となく涙が出そうになりました。
    貴重な体験をお話ししてくださって有難うございました。

    最後になりましたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
    心から笑える日が一日も早く来るようお祈りしています。

    はなの木薬局 坂下店
    児玉 洋子

  • 被災地への薬剤師ボランティア派遣 (石川・富山エリア研修会報告)

    被災地への薬剤師ボランティア派遣 (石川・富山エリア研修会報告)

    毎月定例のはなの木薬局 石川・富山エリア研修会を行いました。

    今回は、業務推進部の奥田部長が東日本大震災の被災地のボランンティア活動に参加された際の活動報告ということで、薬剤師、医療事務、薬学部の実習生も参加しての研修会となりました。

    奥田部長が被災地に入られたのは震災後1ヶ月半が経とうとしている時期でありましたが、被災地の僻地、少人数の避難所にはまだまだケアが行き届いておらず、ようやく医療チームが始めて訪れているようなところもあったそうです。

    保険薬局の薬剤師にしかできないことがある

    ということで、このような資料を持参されたそうです。
    いつも飲んでいる薬を無くしてしまった方に聴取する際に実際にお見せして薬を割り出す、これも日頃から様々な処方せんを調剤する機会のある保険薬局薬剤師だからできると。

    お薬手帳の活用。災害時にいつも飲んでいる薬が分からない。そんなときに役立つお薬手帳。この必要性を患者に啓蒙すべきなのも保険薬局の役割。

    必要な薬が不足している場合はOTCで対応する。これも日頃OTCに触れる機会を持ち合わせている保険薬局薬剤師だからこそできること。

    それぞれの立場で誰かのためにできることをする。

    医療を担う立場のもの。
    自身が被災者でありながら、現場に駆けつけた者。震災以降、休みなしでパンク寸前の仮設診療所で、医療を必要とする方のために働き続ける大勢の方。
    それをサポートする遠隔地から駆けつけたボランティアのメンバー。
    その中で我々保険薬局薬剤師、医療事務それぞれが今いちばんしなければいけないことをする。

    一人ひとりの力を結集することでおおきな取り組みへと繋がる。

    もし今ここが被災地となったら自分ならなにをするか・・・
    ディスカッション風景です。
    ・在宅でいつも関わっている患者を訪問する
    ・日頃からお薬手帳の必要性を周知できるよう努める
    ・薬剤師でなくとも、話し相手にだけでも

    等様々な意見が出ました。

    私も薬剤師としてはまだまだ駆け出しではありますが、どんなときでも医療従事者として何かできるように日々自己研鑽していこうと感じました。

                             田上はなの木薬局
    太田 聖絵

  • 平成23年度 全体会議 開催

    平成23年度 全体会議 開催

    5月1日(日) AM10:00   PM 4:00
    高山市にある飛騨世界文化センターにて
    『 平成23年度 はなの木薬局 全体会議 』 を開催いたしました。

    毎年、全社員が集う大きなイベントで、志を確認し、士気を高め、社員の成長を
    感じる大切な1日です。

    「はなの木薬局」は開局して10年が経過し、岐阜・長野・石川・富山という
    広範囲での店舗展開をし、足跡をしっかり残す程、「団体」にふさわしい規模と
    なってきました。
    この規模になると、共に山を登るのに、めざす頂上を指し示し、行動指針を
    明確にしないと、はなれ離れになったり、道を踏み外すような社員もいるように
    危機感も感じておりました。

    そこで今回は、行動指針が社員に浸透するように『 道標 』 と称したカードを
    創作し、プロジェクトメンバーによる発表を行いました。

    この内容を少し、報告致します。
    まず、私の個人的な感想ですが、
    プロジェクトメンバー6名の成長と与えられた役割に対する責任感がものすごく
    感じられ、感謝と感動の全体会議となりました。


    (発表風景)

    さらに、永年10年勤続表彰の場が設けられ、社長から、感謝状とお礼の記念品が
    渡され、私はその光景を見て涙を流さずにいられませんでした。


    (永年10年勤続表彰の社員)

    今までの10年に対する「感謝」、そしてこれからの10年へ向けての「希望」。
    両面を十分に感じる1日でした。


    (発表を行うプロジェクトメンバーの上山さん)

    これからの、はなの木薬局の果たす役割に、大きな期待をよせています。
    社長も述べられておりましたが、「企業は人なり」です。
    このはなの木にいる社員は、本当に誇れる人財ばかりです。


    (ロールプレイングで活用方法を手本を演じる女性3人)

    「質」と「和」を大切にし、このまちで最も魅力的な薬局を創りましょう!!

  • 木曽緩和ケア研修会報告

    木曽緩和ケア研修会報告

    大桑はなの木薬局の山瀬です。

    2月26日〜27日にかけて、緩和ケア研修会に参加しました。以下、講習会の要旨を報告します。

    医師、看護師、薬剤師と様々な職種から研修会の参加がありました。講師やスタッフとして、信州大学附属病院や岡谷、飯田、伊那方面病院の緩和ケアチームの皆さん、木曽病院の緩和ケアチームの方が参加されました。

    1.緩和ケアについて

    一般に、まだ緩和ケア=ターミナルケアと、とらわれがちです。従来のがん医療は、抗がん治療がまず行われ、その後緩和ケアに移行するというかたちでした。

    WHOにおける緩和ケアの定義では、緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of lifeを改善する取り組みとあります。QOLの向上は、結果として治療の予後に良い影響をもたらすことがわかっています。今後の包括的がん医療モデルは、抗がん治療が始まると同時に早期から緩和ケアを必要に応じ有機的に行っていくこととあります。

    質問1:あなたがもしがんになったとしたら、大切にしたいと思うことは何ですか?

    質問2:あなたがもしがんになったとしたら、気がかりなことは何ですか?

    望ましい死を迎えるために、人によって重要だと考えることは異なります。また、がん患者の苦痛は精神的社会的苦痛などもあり多面的です。がん患者の苦痛に対しては全人的に捉えなければなりません。全人的苦痛(Total pain)といいます。これらに対し、医師のみが対処することは不可能であり、看護師・薬剤師・MSWなどチームとしてのアプローチが重要となります。

    質問3:あなたが、治る見込みがなく死期が迫っている(余命が半年以下)と告げられた場合 1.あなたはどこで療養したいですか? 2.最後をどこで迎えたいですか?

    ひとそれぞれに希望する療養場所は異なり、時とともに変化します。緩和ケアは「病気の時期」「治療の場所」を問わず提供され、「苦痛(つらさ)」に焦点があてられます。

    「何を大切にしたいか」は、患者・家族によって異なり、いつでも、どこでも、切れ目のない質の高い緩和ケアを受けられることが大切です。

    2.がん疼痛の評価と治療

    がん患者の痛みの評価、薬物療法、オピオイドの使い方・注意点、非薬物療法・ケア、薬物以外の対処方法についての学習。比較的薬剤師の専門とするところの講義内容でした。

    3.消化器症状(嘔気・嘔吐)

    がん治療において、嘔気・嘔吐の症状はよく見られる場面です。原因として薬剤師がまず想像するのはオピオイドによる副作用ですが、原因は病状の進行や他の原因も考えられます。原因を的確に検索し評価することで嘔気・嘔吐の治療を行うことを学習しました。また治療以外でも、嘔気・嘔吐のケアが重要で、患者さんの環境にも気を配ること(臭気・食事・香水 暖かい食物はにおいが強くなる、安楽な体位をとる、食事の工夫、気分転換等)を学習しました。治療抵抗性の嘔気・嘔吐に対しその他の治療法として、船酔い防止の目的で販売されている「シーバンド」という商品が有効であったという話題も興味深かったです。

    4.がん疼痛事例検討

    グループワーク形式で、がん疼痛の症例の検討を行い、疼痛の評価とそれに基づく適切なマネジメントと、がん患者のtotal painに配慮し対処することを学習しました。医師・看護師・薬剤師がうまくグループ構成できたので、即席の緩和ケアチームの形態がとれました。実際の緩和ケアチームはこのような検討がされているのだろうなという雰囲気が体験できました。

    5.呼吸困難について

    呼吸困難は、がん患者において高頻度に認められQOLを下げる重要な症状です。呼吸困難とは「呼吸時の不快な感覚」という患者の主観的な症状であるということです。薬物療法のみならず、環境調整(患者の楽な姿勢、においなど不快感に対処、不安への対応等)のケアも症状緩和に重要であることを学習しました。

    6.ロールプレイ(オピオイドの導入をスムーズに行う)

    オピオイドの導入については、既に病院で説明を受けてくるので、一からの説明は薬局ではまず経験がありません。しかし、副作用の適切な説明や患者本人や家族の不安などに対応する機会は日常業務ではよく経験することです。患者や家族の表情などにも注意し、丁寧な説明や言語以外のコミュニケーションにも心掛けることを再認識しました。

    7.精神症状(気持ちのつらさ)について

    がん治療中において、気持ちのつらさは患者のQOLの低下をまねいたり、死にたいという思いが強まったり(最悪の場合自殺につながる)、治療意欲を奪う等様々な悪影響をもたらします。気持ちのつらさはどうやって評価するか、気持ちのつらさに対するケアは何を行うか、薬物療法には何を用いるかを学習しました。ケアとして、まずはじっと患者の言葉に耳を傾けることが大切です。場合によっては専門家(精神科医)へのコンサルテーションを行います。

    8.精神症状(せん妄)

    せん妄は、終末期がん患者の30〜40%に合併し、死亡直前においては患者の90%がせん妄の状態にある誰もが経験する精神症状です。せん妄も、様々な悪影響をもたらします(危険行動による事故・自殺、家族とのコミュニケーションの妨げ、家族の動揺、医療スタッフの疲弊等)。原因の検索、治療、家族への適切な説明などを学習しました。

    9.がん医療におけるコミュニケーション(がん医療におけるコミュニケーションについて)

    悪い知らせを伝えるというテーマでコミュニケーション技術について学習しました。特にがんにおいて悪い知らせを使える際は、患者(家族)のみならず伝える側(医師)のストレスも相当なものということがわかりました。日常業務では直面しないケースですが、共感、同意、傾聴というコミュニケーションに重要なポイントを再認識しました。

    10.地域連携と治療・療養の場の選択(グループディスカッション)

    緩和ケアの地域連携の問題点、解決策を検討しました。一番の問題点となるのは、やはりマンパワーの不足のようです。個人レベルでも、まだ緩和ケアについて知識や情報が不十分であることも課題でした。

    感想

    今回の研修会は、医師・看護師・薬剤師と違う職種のメンバーが同じ講習を受ける形で、普段の仕事の中で、特に保険薬局に勤務する薬剤師は、医師や看護師と同じテーブルで議論を交わす機会は少ないので、大変貴重な体験ができました。ロールプレイのセッションでは、医師や看護師の患者に対しての対応や言葉使いなどみることができ、大変参考になりました。薬剤師は薬の説明や副作用の説明に集中してしまいがちです。ただ話を聞いてあげるだけで、楽になる患者さんもいます。まずは、患者さんの顔をみて話を聞くことを心がけたいものです。

  • 第1回 富山県漢方調剤フォーラムに参加してきました!!

    第1回 富山県漢方調剤フォーラムに参加してきました!!

    先日、富山明治安田生命ホールで、富山県漢方調剤フォーラムが行われました。

    発表は富山市内の薬局がトップバッターでした!漢方薬を処方された患者様に対し、どう工夫すれば飲みやすくなるか、粉薬のまま飲んだ時とお湯に溶かして飲んだ時の味の違いなどを、処方ごとに調査した結果でした。

    漢方薬は「証」と言って、個人個人の体質に合っていればおいしく感じると言いますが、どうなのでしょうか。私も漢方薬を飲んでいますが、とてもおいしいです!合っているのかな?と同僚のO薬剤師に話していたところ、もともとおいしい漢方薬なのだと教えてもらいました(^^;

    そして漢方薬はもともと自然界に存在する生薬から、薬効のある部分を抽出し、組み合わせて煎じたもの。それを飲みやすい粉末に加工してあります。そのため、例えば生姜の成分が配合されているものなど、同じような成分の重複や薬効の変化を避けるために、空腹時の服用が有効とされています。ただし、明らかに薬効が違ったというデータがないために、食後でも大差がないということです。

    さらに「 湯」と名前の付くものは、元はこうした煎じ薬であったために、お湯に溶かして飲むと効果的です。

    同じ薬でも、感じ方が違うというのは東洋医学特有で面白いな!と思いました。例えばユナシンドライシロップ、小児用の抗生物質ですが、誰が飲んでもコーラ味がします(笑)

    やや話が脱線しましたが、漢方フォーラムでは他に、富山大学附属病院薬剤部での、煎じ薬の漢方調剤の様子が紹介されました。沢山の種類の生薬が並んだ様子は壮快でした。普段そんなに多くのきざみ漢方を目にすることはなく、調剤自体も私は経験がありません。煎じ薬特有の患者様のお悩みや、薬効の正しく得られる工夫などが紹介されました。「漢方薬服薬指導シート」を作成し、そうした問題を解決されているということでした。


    写真は、前半の発表の座長を務められた、奥田部長です。座長は初めてなさるとお聞きしましたが、全くそんな様子はなく!スムーズに会を進めていらっしゃいました。

    後半は富山県立中央病院の先生、富山大学の和漢薬研の先生から、漢方薬の正しい使い方や、消化管疾患に対する漢方治療についての発表でした。やはり漢方と一口に言っても、内容の生薬1つ1つに特長があり、当然有害事象も起こり得ます。そういった事象への、医師と薬剤師の共通の理解にむけてのお話がありました。また、消化性疾患は、比較的多く漢方薬が取り入れられる領域だそうです。生体のバランスや恒常性に重きを置く治療体系をとっている為と言えるそうです。大変奥が深く、興味深いお話でした。

    当日は大変な雪で、福井で電車が止まり2日待ち!小松でも数時間待ちの状態だったみたいです。ちょうど私の沿線は無事で、多少止まりはしましたが、久しぶりの電車を楽しんで帰って来られました。

    奥田部長、お疲れ様でした。また次回も是非、参加したいです。

    もりの里はなの木薬局
    上山 小草

  • 岐阜・長野エリア研修会報告 『 パーキンソン病の病態と治療について 』

    岐阜・長野エリア研修会報告 『 パーキンソン病の病態と治療について 』

     今回は、岐阜県中津川市坂下にございます 『 はなの木薬局 坂下店 
    の児玉薬剤師が 『パーキンソン病の病態と治療について』 という演題で発表を
    してくださいました。

    パーキンソン病は、錐体外路機能の異常により引き起こされる病気です。
    原因は中脳の黒質神経細胞が減ることにより、そこで産生されるドパミンが減っていき、
    相対的に脳内のアセチルコリンの量が上がることで種々の症状が現れてきます。なんと!!10万人に100 150人で発症し、40 70歳に好発するそうです。パーキンソン病の症状としては4つの症状があります。


    1 振戦(Tremor)
    2 筋固縮(Rigidity)
    3 無動(Akinesia)
    4 姿勢反射障害(Postural instability)

    この4つの頭文字をとってTRAPと呼ばれるそうです。
    パーキンソン病の治療は、基本的にはドパミンを補充することで運動機能の改善を図ります。
    補助的に抗コリン薬、アマンタジン使います。

    代表的な治療薬として・・・    

    【レボドパ製剤】
    レボドパ単独経口摂取では、末梢でほとんどが分解されてしまうため、カルビドパ、
    ベンセラシド(レボドパを分解する酵素を阻害する)を加えた配合剤が使われます。    

    【ドパミン受容体刺激薬】
    麦角系と非麦角系があります。
    麦角系の薬の副作用に突発性睡眠、非麦角系の薬の副作用に心臓弁膜症や
    間質性肺炎が起こることがあります。
    治療にはまず非麦角系から始め、効果不十分の時に麦角系を使います。
    これらの薬は急に止めることで悪性症候群(無動、寡黙、筋固縮、高熱、意識障害
    などの症状が現れる)が起こることがあるので注意が必要です。    

    【MAO-B阻害薬(モノアミン酸化酵素)】
    中枢内でドパミンを分解する酵素を阻害することで、脳内のドパミン量を高めます。
    日本ではレボドパとの併用が原則です。副作用には不眠があります。    

    【COMT阻害薬(カテコール-O-メチル基転移酵素)】
    中枢外でドパミンを分解する酵素を阻害することで、ドパミンの量を増やし脳内への
    移行する量を上げます。
    こちらもレボドパとの併用で使われます。    

    【ドパミン遊離促進薬】
    インフルエンザの治療薬として作られましたが、パーキンソン病の運動症状を改善した
    ことから使われるようになった薬です。    

    【抗コリン薬】
    ドパミンが減ることで相対的に多くなっているアセチルコリンの働きをブロックする働きが
    あり一番古くから使われている薬です。
    アセチルコリンの働きが抑えられると認知機能が低下することがあり、高齢者にはあまり
    使われません。    

    【ノルアドレナリン前駆体】
    ノルアドレナリンの前駆物質であるドロキシドパを投与することで、体内で代謝され
    ノルアドレナリンに変わり、パーキンソン病の進行したときに見られるすくみ足、
    姿勢維持障害を改善します。    

    【レボドパ賦活型パーキンソン病治療薬】
    レボドパに他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合に
    レボドパと併用する薬です。
    もともとはてんかんの薬で、痙攣発作を偶然に起こしたパーキンソン病患者に投与した
    ところ、痙攣が抑えられるだけでなく、パーキンソン病症状の著明な改善が見られたので
    使われるようになりました。
    作用機序はいくつか推定はされていますが、明確にはわかっていません。

    〈発表中の児玉薬剤師〉

    カメラを向けると恥ずかしがって、こちらを向いてくれませんでした(>_<)

     

     外科的治療としては・・・
    深部脳刺激術(Deep brain stimulation therapy, DBS)があり、脳に適切な電気的
    または磁気的刺激を継続的に送りこむことによって、症状の改善を図る治療法だそうです。
    患者さまに対するアドバイスしては・・・

    1、 勝手に薬を止めない
    ほとんどの薬にも言えることですが、今まで飲んでいた薬を急に止めることで現れる
    副作用があります。パーキンソン病治療薬では悪性症候群などです。

    2、 体を無理のない範囲で動かす
    体を動かすのは辛いかもしれませんが、動かさないことで筋力が衰えもっと動かなく
    なってしまうかもしれません。

    3、適切な食事
    便秘を防ぐために、食物繊維を多く摂ってください。タンパク質を少なめに摂ることで、
    レボドパの吸収を高めます。

    発表は以上でした。

     私が薬をお渡しする機会があるパーキンソン病の患者さまは、新規で薬を始める方は
    少なく、すでに罹患しており薬を続けている方が多いように感じます。
    長期間の日数で処方されている患者さまも多く、頻繁にお話する機会も少ないですし、
    ご高齢ということもあり代理の方が取りに来られることも良くあります。
    ですが・・・、もっと知識を深めることで、患者さまやご家族の方の不安解消、治療意欲の
    向上につなげることができるよう、がんばっていきたいと思います。

    児玉先輩!!ありがとうございました m(__)m

    はなの木薬局 坂下店
    横井 成尚

  • 『 無菌調剤技術研修 』 に参加してきました

    『 無菌調剤技術研修 』 に参加してきました

    昨年末、『 富山県薬剤師会 会営富山中央薬局 』 に無菌調剤室が設置され、

    地域の在宅医療を担う保険調剤薬局の薬剤師対象に、実技研修が開始されました。

    現在、『 本郷はなの木薬局 』 ではTPNの輸液を調剤していますが、

    混合の経験はありません。

    医師から要望の声が全くないわけではありません。混合したくてもできない!(>_<)

    ちょうどそんなとき、この研修の案内をいただきました (^o^)/

    さっそく、この 『 無菌調剤技術研修 』 に奥田部長と参加してきました。

    会営富山中央薬局 田中先生のご指導のもと、約1時間の実技研修を受けてきました!

    今回はその様子を報告したいと思います。

    まず、研修のながれを説明していただきました。

    真剣な面持ちの奥田部長です ( ..)φメモメモ

    ここは準備室なんですが、ここに入る前にまず専用のシューズに履きかえます。

    準備室にあるこの写真の箱、パスボックスといいます。

    名前のまんま、準備室とクリーンルームをつなぐ通路になっています。

    薬品や必要機材をここから搬入します。

    ここで忘れてはいけないのが、消毒用エタノールです!搬入物すべてにエタノールを噴霧します。

    次に、前室にてメディカルキャップ、滅菌マスクおよび滅菌ガウンを着用し、手指を消毒します。

    さらに専用サンダルに履き替えます。

    クリーンルーム内での正装した二人です(^ ^)

    足洗い槽にて靴底を消毒後、クリーンルームに入りました。

     

    ここで滅菌手術用手袋を着用したのですが、

    『着用時、外側を素手でふれてはいけない、触れていいのは内側だけ!』

    これがなかなか苦戦しました(@_@;)

     

    さて、ここから実際の混注作業です!!

    作業台、ワゴン、クリーンベンチ内を消毒用エタノールで清拭後、薬品や機材を並べます。

    もちろん、ここでも薬品や機材は消毒用エタノールを噴霧します!

    残念ながら実際の混注風景はありませんが、田中先生の指導のもと、

    高カロリー輸液に生理食塩水や、薬品を注入しました。

    ここでもしっかりと消毒をおこないながら、慎重に注入しました。

    (私は、注射器で、アンプル内の薬液を最後までしっかり吸い上げるのに苦戦しました…。)

    注入後、ツインバックの隔壁を破壊ししっかり混合しました。

    それぞれ、処方内容をラベルにして貼ってあります!

     

     

    出来上がった薬品を、ポリフィルムバックに入れてシーラーを用いて脱気・封をします。

    これが、なかなか空気がうまく抜けずに何度もやり直しました…

    封したものを、パスボックスに入れ作業終了です!

    お疲れ様でした (^o^)/

    今回、研修を受けてみて消毒の回数に驚きました。

    ほぼ全工程に消毒はついてまわります。

    高カロリー輸液は培地のようなものなので、当たり前といえば当たり前なのですが、

    細菌繁殖には本当に気をつけなければなりません。

    今回は研修でしたが、今後患者さまの混注を行う際には、より一層気をつけて行いたいと思います。

    最後になりましたが、田中先生ご指導ありがとうございました m(__)m

    本郷はなの木薬局
    松本 裕樹

  • 石川・富山エリア研修会報告 『 スタチン系薬剤の特性について 』

    石川・富山エリア研修会報告 『 スタチン系薬剤の特性について 』

    今回は、富山県富山市本郷町にございます 『 本郷はなの木薬局 』
    の福島薬剤師が 『スタチン系薬剤の特性について』 という演題で発表を
    してくださいました。

    脂質異常症という疾患のお話から始まり、各スタチン系薬剤の特徴までしっかりと
    盛り込まれており、幅広い演題に対し細部まで行き届いたお話でした。

    まず疾患の基礎として、TC (Total Cholesterol:総コレステロール) の
    人の体内での代謝から勉強しました。外因性コレステロールの摂取が増えると、
    内因性コレステロールの生成が減るなど、人の体は実に本当にバランスがとれた
    組織です。
    『脂質異常症』 と一口に言っても、高値を示すリポタンパク質の種類によって、
    引き起こす病態や治療法など様々に違いがあります。コレステロール摂取を制限
    するのは、LDL (Low Density Lipoprotein) 高値の場合、エネルギーや
    アルコール摂取を制限するのは、カイロミクロン/VLDL (Very Low Density
    Lipoprotein) 高値の場合 ・・・ など、食事制限の方法も違ってきます。

    学生の頃とは異なり、これらを勉強する際に、目の前に患者様の存在を感じられる
    ようになった気がします。

    < 緊張しながら発表中の福島薬剤師 >

    次に、演題のメインである、スタチン系薬剤の各特色について発表をして
    頂きました。

    各スタチン系薬剤の、構造的特徴・代謝、半減期、横紋筋融解症発症率、
    薬物相互作用など、現場の薬剤師として興味深いデータが多くあげられました。
    参考にされた文献が大学病院薬剤部出身、大学院薬学研究科教授によるもの
    であったこともあり、薬学的観点から非常に興味深かったです。

    『グレープフルーツジュースとの相互作用』は、カルシウム拮抗剤処方時の
    初回服薬指導では必須です。
    しかし、添付文書に記載はありませんが、このスタチン系薬剤にも、グレープ
    フルーツとの相互作用注意をするものがあり、裏づけがあるデータも取れて
    いるということでした。

    余談ですが、ほとんどのカルシウム拮抗剤で、このグレープフルーツとの相互作用に
    関する注意書きが薬剤情報提供文書に記載されます。ですが、本当に注意が
    必要なのは、そのうちの一部であるはずです。

    私たちは、本来の情報と大まかな範囲の情報とをしっかり見極めることが大切であり、
    そこが専門性発揮に繋がるのだなと、改めて感じました。

    今回の発表内容を踏まえて、食事療法を実施しているのに検査値が改善されない
    などの主訴に、どうお話させて頂いたらよいかなど、議論を呼びました。
    原発性であれば、先述した高値を示すリポタンパク質の違いにより説明されます。
    実際にお話を聞いてみると、制限しているのは魚介や卵だけ、という可能性もあります。
    それで良い場合も、あるいは不十分な場合もあるということでした。

    医療の世界は、勉強するたびに本当に奥が深いと実感させられました。
    今回のお話は、私たちが基本とする添付文書から、さらに1歩超えたものであり、
    大変勉強になったと同時に、意識向上にも繋がりました。

    福島薬剤師、どうもありがとうございました!!

    もりの里はなの木薬局
    上山 小草

  • 石川・富山エリア研修会 『 海外(アメリカ)研修報告 』

    石川・富山エリア研修会 『 海外(アメリカ)研修報告 』

    石川・富山エリア合同にて行っている社員研修会で、曽我専務に海外研修に

    参加されたご報告をしていただきました。

    今回の海外研修は、『日本保険薬局協会』が毎年企画している研修で、

    アメリカのシアトルにて、病院、薬局、大学等を見学された時の内容に

    ついてお話されました。

    項目を大きく分けると・・・

    アメリカの薬剤師がおこなっている主な仕事について

    アメリカの健康保険制度について

    アメリカの薬局での薬剤師の仕事について

    メールオーダーでの調剤について

    でした。

    そのうち、今回は と についてお話したいと思います。

    アメリカで医薬品を扱う職種としては「pharmacist」 と「technician」がありますが、

    各々がどのように作業をしているのかを、ビデオ映像と一緒に説明していただきました。

    見ていると、薬剤師はそれらしい格好をしてひたすら電話や書類を見ていて忙しそうに・・・。

    その傍ら、大勢のテクニシャンは私服を着てラフな感じでピッキングどころか投薬まで

    しています (ーー;)!!

    お話によると、ここの薬局では薬剤師はひたすら処方チェックや確認作業を

    していたとの事です。アメリカの薬局全かは不明ですが、薬剤師が実際に

    患者さんとお話していなかったことについてはたいへん驚きでした。

    次はメールオーダー調剤についてですが・・・

    メールオーダー調剤は読んで字の如く、何かしらの電子媒体で処方データ

    (処方せん)が送られ、それを調剤するというもの。

    ただ、規模がスゴイ!!日本の一般的なショッピングセンターほどの広さで

    1日数十万枚の処方せんを扱い、一両日中に調剤された薬が届けられると

    いう業態。 薬局というより工場といった感じですね 。

    さすがアメリカだ 壮大だな と思うのですが、そこには薬剤師や薬局が

    どのように患者の服薬における安全を担保しているのかが疑問でした。

    そこにはいろいろな企業として、成り立つようなシステム的な背景が

    あるようで、とても複雑との事です・・・。

    日本とアメリカは、同じ人間の社会でも歴史・政治・民族性などいろんな要素で

    医療の考え方や実施に違いがあります。アメリカのシステムが優れているとか

    悪いとかでなく、今後日本では薬局がどうあるのか。私たちがどうあるべきかを

    深く考えさせられた内容となりました。

    ちなみに、海外研修の詳細としては同じサイトにご本人が報告されていますので、

    みなさま興味があればぜひそちらも読んでいただきたいです。

    曽我専務、貴重な講演ありがとうございました m(__)m

    大徳店  夘尾