7月は症例報告とディスカッションを行いました。
症例報告は2件でした。
まずは夏目薬局長による在宅支援患者の服薬コンプライアンスに関する症例について発表があり、
続いて山瀬薬局長によるタガメット錠の適応外処方の症例について発表がありました。
その後のディスカッションでは、在宅支援において医師やケアマネージャーなど他の職種の方々と、
どのタイミングで、どのように連携・連絡をとるのかを話し合いました。
タガメットの適応外処方といえば、石灰沈着症による肩関節・股関節痛などが広く知られているようですが、
今回は自己免疫疾患の一種で「周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、リンパ節炎症候群(PFAPA)」
という疾患に処方された例でした。
PFAPAは毎月のように発熱と咽頭炎などの炎症を繰り返し、抗生物質の投与など、
感染症に対する治療では効果が得られない疾患で、
発症のメカニズムには遺伝子が関与していると考えられていますが、
症例も少なく大学病院でも治療方法などまだまだ研究中の症例報告でした。
論文はインターネット検索で探すことができ、情報収集に役立ったようです。
在宅支援の症例では、患者様の残薬チェックから、服薬コンプライアンスの著しい低下が発覚し、
改善する為には服薬を手助けする外部の手が必要と判断。
週5日入るヘルパーに服薬のチェックをしてもらえるよう、
ケアマネージャーを通じて依頼したというものでした。
患者様やご家族が自力で解決できない問題を改善することができ、
医師やヘルパー、ケアマネージャーなど他職種連携を実感できた症例としての報告でした。
ただ、今回の例は氷山の一角に過ぎず、薬剤師が関われた幸運な例であったと思われます。
こういった問題は、まだまだ埋もれたままになっていることを意識し、在宅支援に拘らず、
日々の投薬業務でも心しておきたい問題点と感じました。
最後のディスカッションでは、在宅支援の場で他職種連携を取る際の問題点やその改善策を話し合い、
医師との連絡はお薬手帳を介して、電子メールにて直接など実用的な意見が出ました。
また将来像として、インターネットのSNSのような形式で連携を取れるようになれば、
利便性が増すのでは?など、活発な意見交換が交わされました。
大桑はなの木薬局
早川 伸子
